爆裂の危険性

鉄筋コンクリートにひそむ「爆裂」という名のリスク

鉄筋コンクリート造」は非常に丈夫で耐用年数が長い建物の工法ですが、どんなに丈夫な建物でも年月による劣化は避けられません。鉄筋コンクリート造の建物ならではのリスクに、経年劣化による「爆裂」があります。こちらのページでは、爆裂の危険性についてご紹介します。

「爆裂」って何?

鉄筋コンクリートではコンクリートの内部に鉄筋を配置し、強度を確保しています。できたばかりのコンクリートは「ph12~13」という強アルカリ性(ph7が中性)で、このアルカリの作用によって内部に配置された鉄筋の表面には「不動体皮膜」という膜が形成されます。この膜が酸化(=サビ)から鉄筋を守ってくれるのです。

しかし、コンクリートはいったん硬化したあとも収縮を続けるため、半年も経つと目に見えないような細かな亀裂が入った状態になります。その小さな亀裂からコンクリート内部に空気中の二酸化炭素や雨水に含まれる酸化物質が侵入すると、コンクリート全体が徐々に中性化し、「不動体皮膜」も消えてしまいます。不動体皮膜というバリアを失った鉄筋にはサビが生じ、体積が膨張。その膨張に耐えきれなくなったコンクリートに新たなヒビが入り、剥がれ落ちてしまうのが「爆裂」という現象です。

爆裂がもたらすリスク

爆裂がもたらすリスクは、単に外壁が壊れて見た目が損なわれることだけではありません。もし建物の高い位置で壁が爆裂した場合、剥がれ落ちたコンクリートが落下して入居者や通行人を傷付けたり、落下点にある器物(自動車など)を破損したりする可能性があるのです。

爆裂によってコンクリートのかたまりが落下する事故は、実際に何件も発生しています。内部のコンクリートが爆裂することで、表面に貼ったタイルが剥落するケースもあります。鉄筋コンクリート造の建物では、早めに爆裂の対策を取ることが非常に重要です。

新開発塗料でリスクを軽減

爆裂の補修では一般的に、露出してしまった鉄筋の周囲からコンクリートを取りのぞき、鉄筋にサビ止めを施してからその部分をモルタルで埋めます。しかし、モルタルとコンクリートは密着しづらいため、この工法ではモルタルごと剥離するかもしれないというリスクが残ります。

近年、この剥離と爆裂のリスクを同時に軽減する、「繊維強化塗料」が開発されました。これを用いて外壁塗装をすることで、密着力と引張強度が飛躍的に高まり、コンクリートの剥離や落下のリスクを軽減できます。外壁の劣化が気になってきた方は、一度ご相談ください。

鈴木の施工例

鈴木の外壁改修工事